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読んだ本: 2007年12月 Archive

2007年読了書籍個人的ベスト10

今年読んだライトノベルを除く書籍は273冊でした。例によって今年読んだ中で私のベスト10を選んでみました。順不同。

タイアップの歌謡史
タイアップの歌謡史
  • 著者: 速水 健朗
  • 発売元: 洋泉社
  • レーベル: 新書y
  • 発売日: 2007/01
  • おすすめ度 3.5

日本の歌謡史を「タイアップ」というキーワードでまとめた力作。豊富な引用が売りですが、前に出てきた引用元を「前述書」でまとめてしまうところだけが玉に瑕

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 (298))
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 (298))
  • 著者: 松永 和紀
  • 発売元: 光文社
  • レーベル: 光文社新書
  • 発売日: 2007/04/17
  • おすすめ度 4.5

今年話題になった健康番組の実験偽装問題や、さんざん話題になった「新しい新事実の発表」のカラクリというものの話題です。今話題のタミフル問題だって、あるある大辞典とあまり変わらないというのが実態なんだよなあ。

廃帝綺譚
廃帝綺譚
  • 著者: 宇月原 晴明
  • 発売元: 中央公論新社
  • 発売日: 2007/05
  • おすすめ度 5.0

安徳天皇漂海記』を先に読むべきですが、宇月原晴明の紡ぐ血と肉の幻想世界は大好きです。

青年のための読書クラブ
青年のための読書クラブ
  • 著者: 桜庭 一樹
  • 発売元: 新潮社
  • 発売日: 2007/06
  • おすすめ度 4.0

桜庭一樹の描く、伝統ある花園の一角にひっそりとあるアバンギャルドな空間にようこそ。

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)
「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)
  • 著者: 岡田 斗司夫
  • 発売元: 筑摩書房
  • レーベル: ちくまプリマー新書
  • 発売日: 2007/06
  • おすすめ度 3.5

悪の首領四分類とか、悪の組織の目的考察といった創作設定に役立ちそうなものがてんこ盛り。過労死三回を誇る脅威の独裁者「ヨミさますごろく」が切なすぎます。

敗者から見た関ヶ原合戦 (新書y 173)
敗者から見た関ヶ原合戦 (新書y 173)
  • 著者: 三池 純正
  • 発売元: 洋泉社
  • レーベル: 新書y
  • 発売日: 2007/05
  • おすすめ度 5.0

関ヶ原古戦場を実地調査したり文献を精査することで、「戦下手な石田三成」という定説を覆してます。関ヶ原の件ではいろいろと下手を打っちゃってますけどね。それにしても小早川秀秋が狡猾すぎる。

大帝没後―大正という時代を考える (新潮新書 221)
大帝没後―大正という時代を考える (新潮新書 221)
  • 著者: 長山 靖生
  • 発売元: 新潮社
  • レーベル: 新潮新書
  • 発売日: 2007/07

「大正」という時代の持つイメージが根本的に覆された感じ。乃木希典の自刃に関する諸反応など知らなかったことばかりですし、夏目漱石の小説に出てくる「新青年」考察は「この解釈は知らなかった」と思わせられました。

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595)
ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595)
  • 著者: 佐々木俊尚
  • 発売元: 文藝春秋
  • レーベル: 文春新書
  • 発売日: 2007/10/19
  • おすすめ度 4.5

今現在ネットで論点になっている20のトピックについてわかりやすく纏め上げられています。逆に言うと鮮度がすぐ落ちるということ。読むならお早めに。

エピデミック
エピデミック
  • 著者: 川端 裕人
  • 発売元: 角川書店
  • 発売日: 2007/12
  • おすすめ度 5.0

緊迫感がありすぎて精神が焼ききれそうになって本を閉じ、続きが気になって本を開く、その繰り返しが500ページ続く伝染病小説にして疫学小説。

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今年のライトノベル個人的ベスト10

今年読んだライトノベル(少女小説・ノベルズ含む)は161冊でした。積本がまだまだ大量にあるので、あと2日でまた増えるかもしれませんけど。

今年読んだ中で私のベスト10を選んでみました。順不同。私の趣味が大きく反映していますので、少女小説が過半を占めています。あと、ヴィクトリアンな話が多いなあ。

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『クジラのソラ』一気読み。これは良いジュブナイルSFです。

1巻発売当時から「良いゲーム小説」と聞いていたので買ったのですが思わず積んでしまってました。先日発売の4巻で完結、さひろさんがとにかく読むべし。と言っていたので、積み本くずしの優先順位を上げて読みました……しまったぁ! 何で積んでしまったんだ私は!

圧倒的な戦力を持つ異星人「ゼイ」(これはTheyかな?)によって無条件降伏した地球。ゼイは地球に《ゲーム》をもたらし、《ゲーム》のワールドチャンピオンをゼイの艦隊編入し、チャンピオン所属国に「おみやげ」(科学技術の提供)を与えた。ワールドチャンピオンとなって宇宙に旅立った兄を追うべく《ゲーム》を行う雫、両親を《ゲーム》で亡くしゲームで知り合った友人たちに旅立たれていく伝説の天才メカニック聖一、両親を《ゲーム》に取られた冬湖……。

《ゲーム》プレイ中に聴こえてくる「クジラ」の声、アウターシンガーと呼ばれる「クジラ」の声を聞いて圧倒的な強さを誇るゲームプレイヤー、ゼイではなくゼイに滅せられた第二の異星人でもない「第三の異星人」、《ゲーム》のために存在する浮遊島ヴァレンタイン島での本選中に起きたアウターシンガーの大量死亡事故。《ゲーム》の真実とは? ゼイの実態と事実を知った地球人との関係はどうなる?

でまあ、1巻読んで反省した私は、残り3冊を買って一気読みしました。一気読みは快感です。特に3巻は「なんでここで止める!」って思っただけに。ゲーム小説要素が強いのは1巻ぐらいで、巻が進むにつれどんどん壮大な多元宇宙の存在や、事実を知って変容する地球社会が現れてきます。

このままだと神ネタSFや社会派SFになっていくところですが、『クジラのソラ』はあくまでも少年少女の視点から離れない。特に4巻、天才や彼岸に行ってしまったキャラクターたちではなく、桟敷原雫という努力型で自分の限界というものを知ってしまった人間が話を駆動していくところが感動的。

『クジラのソラ』の設定で神ネタSFが見てみたいという欲望もあるんですが、それやってしまうと「富士見ファンタジア文庫」の枠を超えちゃうだろうし、神ネタSFは失敗すると無残ではあるので、熱血バトルスポーツ小説であり続けたことを評価したいです。

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キルヒアイスは死に際に呪いをかけた

銀河英雄伝説 1 英雄たちの肖像 RYU COMICS

「ラインハルトさま……宇宙を手にお入れください」は呪いの言葉だよなあ。あれのおかげでラインハルトは帝政打倒どころか同盟征服までしなくてはならなくなってしまった。これは私の持論じゃなくて、知人の銅大さんのものなんですけどね。ただ、あそこで呪いをかけなかったら、ラインハルトは確実にダメになってしまっただろう。どこかの山荘に引きこもってしまうとか。

というわけで、道原かつみによる漫画版『銀河英雄伝説 (11)』が出てから7年。まさかのキルヒアイス死後の続編『銀河英雄伝説 英雄たちの肖像 (1)』が発売されました。ラインハルトが内乱を制して銀河帝国の実権を握った直後からです。「1巻」と書いてあるけどこれだけ読んだら話がさっぱりわからないかと。

で、いきなり原作4巻『銀河英雄伝説 4 策謀篇』の皇帝誘拐エピソードです。まあ原作3巻『銀河英雄伝説 3 雌伏篇』は本筋から外れたエピソードだからなあ……あれ? もしかして既に査問会ネタを漫画版でやってたっけ? やってなかったっけ? うわー、しまった、見事に忘れ去ってるな。原作の大筋は覚えているのに、漫画版でどのネタをどう調理したかを忘れてるのはどうしたもんだか。漫画本自体どこにしまいこんだか忘れてしまってるし(原作デュアル文庫版はすぐに出せる)。

印象としては、それまでの漫画版よりもストーリーがサクサク進んでいます。トリューニヒトによる「皇帝亡命」の公表と、それに対するラインハルトの事実上の宣戦布告、ユリアンのフェザーン行き人事まで一気にやっちゃいました。ルパート・ケッセルリンクが原作と同様に暗躍しているわけですが、今後、女性に変更されているフェザーン自治領主との血縁関係は描かれるんでしょうか。

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『蒸籠でつくる、毎日のごはん』のせいで蒸籠が欲しくなった

蒸籠でつくる、毎日のごはん―シンプル野菜料理に、和食、フレンチ、イタリアン。中華だけじゃない、蒸しておいしい』という本を、表紙の美しさにひかれて買ってしまいました。

蒸籠を使った蒸し料理がいろいろ載ってます。せいろが欲しくなる罠。小さめの蒸籠を人数分用意していろいろ蒸してそのまま食卓に出すといいだろうなあ。でも直径15cmぐらいの蒸籠付両手鍋があるんだけど、蒸籠が2つしかないので死蔵状態。蒸籠増やそうにも置き場所がないよ。

よく使ってるのは蒸し台つきのアルミ兼用鍋なんですが、けっこう深いので取り出すのが大変。つい蒸し料理しなくなってしまう原因の一つ。『蒸籠でつくる、毎日のごはん』に「蒸し物用トング」というのが紹介されていました。大きな皿から小さな茶碗蒸しまで取り出せるという優れものらしい。これを買えということか?

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2007年11月に読んだ本

2007年11月に読んだのは41冊でした。先月より2冊減ったかな。

11月読了分からお勧めをいくつか。

機動戦士ガンダムUC 1 ユニコーンの日(上) (角川コミックス・エース 189-1)Book機動戦士ガンダムUC 1 ユニコーンの日(上) (角川コミックス・エース 189-1)

機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下) (角川コミックス・エース 189-2)Book機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下) (角川コミックス・エース 189-2)


posted with All Consuming at 2007.12. 1

「角川コミックス・エース」だけど小説。漫画と勘違いしてしまうような気がします。私が見かけた書店では一般書籍のコーナーで「福井晴敏の新作」扱いでしたけど。

ボーイミーツガールでガンダム強奪。王道展開にニマニマしてしまいました。宇宙世紀時代の有名人は姫様ぐらいしか出てきませんが、今後どうなるんでしょう。第3巻は12月発売、第4巻は4月発売予定で特装版(MGユニコーン武器セットつき)が予約受付中です。

イヴは夜明けに微笑んで (富士見ファンタジア文庫 174-1 黄昏色の詠使い)
細音 啓
富士見書房 (2007/01)
売り上げランキング: 10089
おすすめ度の平均: 4.5
5 マルチ主人公とでも言うべきか
4 幻想的で綺麗な物語です。
5 きれいなものがたり

ライトノベル書評系で評判が高い「黄昏色の詠使い」第1巻に手を伸ばしてしまいました。

世界の造形がすごいなこれは。さわやかな読後感でそれでいてゾクゾクします。キャラクターが世界やストーリーを圧倒するタイプではありません。

スイ~トスイ~ツショコラ (Edge)
ゆうき りん
徳間書店 (2007/10)
売り上げランキング: 123965
おすすめ度の平均: 5.0
5 甘くない。

ソフトカバー単行本というのは、想定読者である「若い働く女性」を考えたものなんだろうなあ。これが文庫や新書で出たらたぶん手に取るどころか見かけてももらえない。

タイトルや表紙に反して甘くないお話です。本文中にショウガやトウガラシのショコラが登場しますが、内容そのものがそんな感じ。

以下、読了本をAmazon.co.jp スライドショーウィジェットで。

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