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脅迫文送りつけたら自費出版物が売れるほど世の中甘くない

野田聖子衆院議員や河村たかし衆院議員などに「お前らを消してやる」などと書かれた脅迫文を送った男が逮捕されたというニュース(via Sankei Web)。

 野田聖子氏(無所属)ら衆院議員3人にカッターナイフの刃が入った脅迫文を送ったとして、警視庁捜査一課と麹町署は9日、脅迫の疑いで、栃木県小山市小薬、作家、中島光男容疑者(47)を逮捕した。中島容疑者は「西崎次貴」「百巨宇騎(ももき・たかき)」のペンネームで「黒い日」(新風舎)などのエッセーを出版。「本を世間に知ってもらうため、インパクトがあると思った政治家に送った」と供述している。同様の脅迫文を総務省や中国大使館、新聞社、有名女子高など約10カ所に送っていた。

Sankei Webでは「作家」となってますが、他社記事では「無職」になってるところがあります。さっそくAmazonで「西崎次貴」「百巨宇騎」で検索したんですが、扱ってるものなんですなあ。 売れてなさげですが。

黒い日
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西崎 次貴
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重い血―散文詩
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百巨 宇騎
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『黒い日』は新風舎、百巨宇騎名義の『重い血』は文芸社と、典型的な共同出版・協力出版会社です。YOMIURI ONLINEによると自費出版だそうで、結構な金を出してるんじゃないかと。

出す本が売れるかどうかは博打みたいなもので、必ず売れるのがわかって出てるなら、あのシリーズやこのシリーズみたいに売り上げが原因の打ち切りなんて起きないはず(泣)。ましてや企画出版じゃないものなんて、書店の片隅に並べられれば儲けもので、たいていは陳列もされずに返品、なんだそうな(via のべるのぶろぐ: 自費出版の本が売れる訳ない!)。

自費出版が価値がないと言ってるわけでなくて、書籍として形に残ることが重要なものもあるわけです。郷土史家の人が成果をまとめたものなんかは典型的なもの。のべるのぶろぐのコメント欄で指摘されている「文化財として」あるいは「出版物が対象の賞のため」なんてのも。でもそういうものに「売れるかどうか」を期待しちゃならないと思う。

で、くだんの自費出版作家氏は「本を世間に知ってもらうため、インパクトがあると思った政治家に送った」と供述しているらしい。たぶん警察発表なのでどこまで本気かわかりませんが、脅迫に屈して宣伝行為を行う政治家はいないでしょう。

ワード

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