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サイエンス: 2008年10月 Archive

ノーベル化学賞受賞の下村脩氏は、「ミトニックを追い詰めた男」下村務氏の父

2008年のノーベル化学賞は「緑色蛍光タンパク質の発見と発展」で、下村脩、マーティン・チャルフィー、ロジャー・Y・チェンの三氏の受賞が決定しました(Nobel Foundationasahi.com)。緑色蛍光タンパク質は他のタンパク質にくっつけて細胞を生きたまま観察する手法として医学や生物学で多く利用されています。

下村氏は緑色蛍光タンパク質を発見、チャルフィー氏が実際に細胞内に入れて発光させることに成功、チェン氏が緑色以外に光らせる方法を確立しました。

それにしても80歳か。南部陽一郎氏の87歳も驚いたけど、「受賞順番待ちで長生きした方が勝ち」状態だなあ。

検索してみたらコンピュータセキュリティ専門家でケビン・ミトニック逮捕に関わった下村務は息子。という記述がWikipediaにあってびっくり。

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ノーベル物理学賞に南部、小林、益川の三氏受賞決定

ノーベル物理学賞に南部陽一郎、小林誠、益川敏英の三氏が受賞する事が決まりました(Nobel Foundationasahi.com)。南部氏の授賞理由は「対称性の自発的破れのしくみの発見」、小林・益川両氏は「CP対称性の破れ」。ブログ界隈では「遅すぎる」「前世紀に受賞すべき」「南部先生にノーベル賞が出せるとはノーベル賞も箔がついたなあ」などの微妙な感想が目についてしまいます。

南部氏は87歳。長生きできたから受賞できたんですね。ああ戸塚洋二氏がなくなられたのが惜しくてたまらない。師匠の小柴昌俊氏の受賞理由が「天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献」なので戸塚氏が「ニュートリノ振動の発見」で受賞できるのではないかと期待していたのに。

微妙な感想と言えば南部氏の主な活動はアメリカ。現在はアメリカ国籍を取得しています。たまたま日本で生まれた人々がノーベル物理学賞を受賞という面もあるんだなあ。「日本人三氏受賞」という記事の「日本人」とは何かを考えさせられもします。

そこで、日本人の意識が次の段階に進むステップとしての目標を想定しておきたい。それは、日本の大学や研究機関でノーベル賞に繋がる業績の主な部分を築いた"外国人"の受賞を国を挙げて喜ぶということである。冷静に考えると、世界から"あの人だからこそできた"と見られるよりも、"あの国でだからこそできた"と見られるほうが、日本人一般にとってはずっと誇らしいはずのことではないかと思うのだがどうか。「あの国で研究がしたい」と世界中の研究者から思われるようになることのほうが、たまたま日本に生まれ育った人がノーベル賞を取ることよりも、国家としてずっと重要だと思いませんか?

アメリカという国が強いのは、まさにその点なんでしょうね。利根川進氏も研究成果はアメリカで上げています。残念ながら今のところ「日本人以外で日本の大学や研究機関でノーベル賞に繋がる業績の主な部分を築いた人はいない」状況ですけど。スーパーカミオカンデが世界中の研究者が集まる研究施設になっていると聞いた事があるので、神岡の地で業績を上げたさらなる研究が増えていく事を期待します。

私には今回の受賞理由となった理論物理の世界が全然わからないので、南部氏の『クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか (ブルーバックス)』、小林氏の『消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎 (ブルーバックス)』を読むことにします。『消えた反物質』の方は現在入手困難で、Amazonマーケットプレイスで15000円というものすごい値段がついてます。講談社がノーベル賞受賞記念で増刷するのは何より。

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